【大竹秀明の挑戦】東京ギフトショーで作り上げた共創文化

大竹秀明
大竹秀明

貿易塾の最大のイベントでもある東京ギフトショー。10年出展し続けた東京ギフトショー「クラウドファンディング・ラウンジ」について、ここまでに至る苦悩となぜ出展し続けられたのかについて話しました。

オンラインコミュニティからリアルの場へ

東京ギフトショーは長時間立ちっぱなしで、足や腰が疲れるのはもちろんのこと、精神的にも大変なことが多々ありますが、みんなで苦労を分かち合い、成功を喜ぶことができるこの瞬間は、オンラインでは味わえない特別な体験です。

「次の出展は何回目になるか」という質問については、正確なカウントはしていませんが、足掛け10年以上、半年ごとに出展を続けてきたことは確かです。ここ5年間はコンスタントに出展しており、その中でたくさんの思い出と経験を積み重ねてきました。

東京ギフトショーへの初挑戦

東京ギフトショーへの最初の挑戦は、私自身の貿易会社として一人で出展することから始まりました。その時は、まだクラウドファンディングという概念もなく、普通の貿易会社として出展しました。しかし、初めての出展場所は、通路の奥の奥で人の流れがほとんどなく、非常に大変な状況でした。それでも、次に続けることが重要だと感じました。

その後、「ひとり貿易」というコンセプトを立ち上げることになり、貿易は単なる転売ではなく、ブランドを育てながら継続して売上を上げるものだと考えました。そのため、東京ギフトショーのような展示会に出展することは非常に重要でした。しかし、個人で出展するにはコストが非常に高く、場所のレンタル費用やディスプレイの費用、チラシの作成費用、人件費、交通費などを考えると、150万から200万円ほどの投資が必要でした。

共同出展のアイデア

「ひとり貿易」のコンセプトを打ち立てたとき、個人で東京ギフトショーに出展するのは効果的であるものの高額な投資が必要ということで、当時のパートナーと共に「みんなで出展すればコストを分担できるのではないか」というアイデアが生まれました。最初に集まったのは5人で、それぞれがコストを分担して出展しました。

しかし、当時の東京ギフトショーでは共同出展が禁止されており、運営側に大きな注意を受けることになりました。初めは知らずに私の会社名でブースを借りて、5人で出展していましたが、2回目か3回目の出展時に、運営側から「これはみんなバラバラの事業者ですか?」と問い詰められ、共同出展が規定違反であることを知りました。

それでも、コストを分担することで出展の効果を最大化できると確信し、共同出展を続けるための戦いが始まりました。運営側との交渉を続けながら、共同出展の文化を築いていきました。

共同出展の課題と挑戦

共同出展を続ける中で出展コストを1/3から1/5に抑えることができ、実際に、共同出展を行うことでクライアントが成果を上げ、ブランドを育てることができました。ただ、準備には多くの時間と労力が必要であり、また費用もかかりました。さらに運営側からの目も厳しく、何度も「もうやめよう」と思うことがありました。

しかし、見つけてきた商品を表舞台に立たせる場所として、東京ギフトショーは最高の場所でした。出展することで結果を出す人も増え、出展を希望する人も増えていきました。その中で、運営側との関係も徐々に改善され、最近では「次は何を出展しますか?」と聞かれるようになりました。

成果と変化

長年の努力と試行錯誤を経て、東京ギフトショーでの共創文化が確立されました。運営側との良好な関係も築かれ、次回の講演依頼なども受けるようになりました。

当初は画期的なアイデアだった共同出展も、今では多くの人が取り入れるようになり、成功を収めています。初めての出展時の感動は薄れていくものの、生徒たちが成長し、自分の商品を堂々と営業する姿を見守ること、彼らが成功する姿を見ることは、本当に嬉しいことです。

長年の戦いと努力の末に築かれたこの関係と成果は、多くの人々に影響を与え続けるでしょう。

貿易塾生の成長

貿易塾の生徒たちが成長し、自信を持ってバイヤーに商品を売り込む姿を見ると、その成長ぶりに感動します。例えば、ヨドバシさんや楽天のパワーセラーの方々と繋がることができた生徒、カタログ通販に商品を掲載できた生徒、テレビの取材を受けた生徒など、多くの成功例があります。彼らの成功は、私にとっても大きな喜びであり、感動的な体験です。

彼らが自分の商品を持って堂々と立つ姿は、まるで父親が子供の成長を見守るような感覚です。この10年以上にわたる東京ギフトショーでの挑戦と共創文化の確立は、彼らにとっても大きな学びの場となり、成長の機会を提供しています。

大人の文化祭

東京ギフトショーでの出展は、「大人の文化祭のような感動と出会いの場」です。一日の出展が終わった後に仲間と乾杯して絆を深める時間は、本当に尊いもので、毎回新たな感動を得ることができます。その日の疲れを癒しながら、次の日への意欲を高めることもできます。このような経験は、単なる展示会の出展以上の価値があります。

何が起こるかわからない、何が成功するかわからないという期待と緊張感も、東京ギフトショーの魅力の一つです。一般的な企業の社員が出展に参加する場合と異なり、私たちの場合は全員が自分の商品に情熱を注いでいます。目覚ましテレビに取り上げられたり、コンテストで入賞することも、当たり前のことではありません。全体で4万点から5万点の商品の中からナンバーワンに選ばれることは非常にすごいことです。生徒たちが見つけてくるユニークな商品や、彼らのやる気が成功の鍵となります。

これらが、出会いと感動の場としての東京ギフトショーの魅力と言えるでしょう。

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この記事を書いた人

大竹 秀明

クラウドファンディング物販の第一人者。
黎明期より輸入×クラファンの可能性に着目し、累計20億円以上のプロデュース実績。
その実績が評価され、2019年にはMakuakeベストパートナー賞を受賞。他クラウドファンディングのパートナーも務める。
10年間で1万人以上に講演指導を行い 日本郵便やYahoo!、東京ギフトショー、東京都中小企業振興公社などでも講演。
「セカイをワクワクさせる貿易家を生み出す」 を理念として精力的に活動中。