みなさん
こんばんは、大竹です。
最近は実践プロジェクトの話題が多かったせいか
貿易や海外との契約のご相談を受けることが増えました。
中には、詐欺に遭ってしまっている方もいて
海外の工場にお金を振り込んだまでは良かったものの
いきなり連絡が取れなくなって困っていたり
OEMのサンプルオーダーまでは良かったものの
本オーダーになったら全然違うものになっていて
途方に暮れている方もいらっしゃいます。
そういう方に色々伺ってみると
ちゃんと契約書を交わしていないようなのです。
数百万円、数千万円のオーダーでも契約書を結んでいない。
しかし、その気がないというよりは
意外とそういう事を教えてくれる人がいないようなのです。
私は、クライアントがOEMする場合には
簡単な覚書良いので、書いてもらっています。
これは法的な効力を期待するものではなく
お互いの共通認識を、紙に残しておこうよという意味です。
それでも、あるとないとでは、全然違います。
もちろん総代理などをやる場合には
パートナービジネスになるわけですから
様々なリスクヘッジも含めて
きちんと契約書を交わした方が良いですね。
何もなければいいんです。
問題はトラブルが起きた時。
誰も問題を起こそうと思って
取引をスタートさせません。
紛争が起きた時に
契約書がないとどうしようもない。
輸出入や貿易というのは海外との取引です。
国が違えば文化が違う。
当然、商習慣も常識も異なります。
特に日本人は几帳面なので
世界基準とは色々な面でギャップがありますよね。
「そうなんですか・・知らなかった・・」
「契約書なんて書いたことない・・ヤバイですか?」
という声が聞こえてきそうですが
完全に救いがないかというと
実は最低限のプロテクションが存在しています。
しかも自動的に。
それはなにかと言うと
「ウィーン売買条約」です。
日本は2009年から「ウィーン売買条約」の加盟国なので
取引先も加盟国であれば、自動的に適用されています。
僕らが「欧米輸入」とか「中国輸入」と言っている
アメリカ・ヨーロッパの主要国、そして中国なども、加盟国です。
<ウィーン売買条約・締約国一覧>
ちょっと安心ですね。
ただ、あくまでも
ウィーン売買条約というのは準拠法ではありません。
契約や損害賠償の基本的な原則を定めた国際条約ですので
最低限にすぎない、という認識でいた方が良いです。
契約というのはケース・バイ・ケースで
100個の取引があれば、100個とも契約内容は異なるわけです。
実はこれ、私は書籍の原稿に書いていたので
ずーっと載っているものだと思っていたのです。
クライアントにも、この話になると
「書籍にも書いてありますが」と言っていたのですが
見てみたら・・・書いていないではないですか!
どうも編集でカットされていたみたい(笑)
(ちなみに原稿は書籍の「3倍」の量を書きました。)
ちなみに、これは聞いた話ですが
意外とこんな輸入貿易の基礎も知らないのに
やれOEMだ、とか総代理だ、とか言っている
自称コンサルタントも多くいるようです。
お金を頂いて人に教えるなら
「最低限ぐらいは勉強しろよ」と思うのですが。。
本当に誰を選ぶかは気を付けた方が良いと思います。
(まぁヒトのことはどうでも良いですが・・)
ということで
厳密にはOEMの場合でも
契約書や覚書を交わした方が良いですね。
そして、もし契約書を交わしていなくても
ウィーン売買条約が適用されているので
ざっくりとは守られています、ということになります。
以上、ワンポイント輸入ビジネスでした!